
著者 / Author
柴 悠介
株式会社リクステップ CEO / K-Drive株式会社 CTO(最高技術責任者)。100社以上への助成金・補助金の案内・申請サポート実績。シリコンバレーでのAI開発経験を活かし、補助金自動提案AIシステムを構築・提供。中小企業の資金調達を「検索・選定・申請準備」まで自動化する仕組みで、制度の取りこぼしと申請書類作成の負担を大幅に軽減している。
1助成金と補助金の違い——まずここから
「助成金」と「補助金」は混同されがちですが、管轄省庁・審査方式・受給のしやすさが根本的に異なります。どちらが自社に合っているかを理解することが活用の第一歩です。
| 比較項目 | 助成金(厚生労働省系) | 補助金(経済産業省系) |
|---|---|---|
| 管轄 | 厚生労働省・都道府県労働局 | 経済産業省・中小企業庁など |
| 財源 | 雇用保険料(事業主負担分) | 国の一般予算 |
| 審査方式 | 要件を満たせば原則受給/審査で落とされることはほぼない | 競争審査(採択率あり)/優れた事業計画書が必要 |
| 受給のしやすさ | 比較的容易(要件充足が前提) | 書類の完成度次第(30〜70%の採択率) |
| 申請タイミング | 通年または年度内(予算次第) | 公募期間内のみ(年数回) |
| 代行できる専門家 | 社会保険労務士(社労士) | 中小企業診断士・認定支援機関 |
| 入金タイミング | 申請から数週間〜数ヶ月後 | 実績報告後(申請から8〜18ヶ月後) |
2主要助成金(厚生労働省系)2026年度版
以下はすべて2026年(令和8年)度の一次資料(厚生労働省公式パンフレット・令和8年4月時点)をもとに確認した情報です。
両立支援等助成金(介護離職防止支援コース)
最大105万円/人介護支援プランを作成し、対象労働者が介護休業を取得・職場復帰した場合や介護両立支援制度(短時間勤務・テレワーク等)を利用した場合に支給。1年度5人まで受給可能。
出典:厚生労働省「両立支援等助成金支給申請の手引き(2026〈令和8〉年度版)」※4月15日差替版
→ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/shokuba_kosodate/ryouritsu01/index.html
キャリアアップ助成金(正社員化コース)
1人あたり40万円〜80万円(中小)有期雇用労働者・短時間労働者・派遣労働者を正社員に転換した事業主に支給。2025年4月改定により「重点支援対象者(雇入れ3年以上等)」のみ2期(最大80万円)の申請が可能となり、それ以外は1期(40万円)のみに変更された。転換後6ヶ月間の賃金が転換前比3%以上増額が要件。
出典:厚生労働省「キャリアアップ助成金のご案内(令和8年度版)」令和8年4月8日
→ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/part_haken/jigyounushi/career.html
業務改善助成金
最大600万円(特例拡充あり)事業場内最低賃金を一定額以上引き上げ、生産性向上に資する設備投資(機械設備・IT導入・研修費等)を行った場合にその費用の一部を助成。設備投資額×助成率と助成上限額のいずれか低い額が支給。
出典:厚生労働省「業務改善助成金」(令和8年度)
→ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/shienjigyou/03.html
キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)
1人あたり4万〜7万円(中小)有期雇用労働者等の基本給の賃金規定等を3%以上増額改定し、適用させた場合に支給。2026年度より引き上げ率が4段階制(3%・4%・5%・6%以上)に細分化された。
出典:厚生労働省「キャリアアップ助成金のご案内(令和8年度版)」令和8年4月8日
→ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/part_haken/jigyounushi/career.html
3主要補助金(経済産業省系)2026年度版
補助金は採択審査があり、事業計画書の完成度が採否を左右します。また交付決定前の発注・契約は対象外になるため、スケジュール管理が重要です。
デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)
最大450万円2026年度より「IT導入補助金」から「デジタル化・AI導入補助金」に名称変更。AI導入による業務自動化・省人化への支援が強化された。通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策枠等が継続。健康経営優良法人の認定が加点項目に含まれる。
出典:デジタル化・AI導入補助金2026 公式サイト
→ https://it-shien.smrj.go.jp/
新事業進出補助金(旧:ものづくり補助金系)
上限750万〜5,000万円革新的な新製品開発・新サービス展開・設備投資などに活用できる大型補助金。令和8年度より従来の「ものづくり補助金」等を再編。補助率1/2〜2/3、上限額は従業員数・申請枠により異なる。健康経営優良法人の認定が審査の加点対象として明記。認定支援機関(中小企業診断士等)のサポートが強く推奨される。
出典:経済産業省「ACTION!健康経営」国の取り組み(補助金加点一覧)
→ https://kenko-keiei.jp/shakai/
4もらえるまでのスケジュール
助成金・補助金は「申請したらすぐ入金」ではありません。制度によって受給までの期間が大きく異なります。「計画届を出す前の取り組みは対象外」が鉄則です。
【助成金】両立支援等助成金(介護離職防止コース)の場合
STEP1
📋
▼介護支援プランの作成・社内周知
対象労働者との面談を実施し、介護支援プランを策定。就業規則に介護制度を規定・周知する。
目安:1〜2週間STEP2
🏖
▼介護休業の取得(連続5日以上)
対象労働者が介護休業を取得。業務代替体制(新規雇用または手当支給)を整備する。
数日〜数ヶ月STEP3
💰
▼【第1回申請】休業取得時 → 30万円
休業開始後、所定の申請書類を都道府県労働局雇用環境・均等部(室)に提出。
申請から入金まで:数週間〜2ヶ月STEP4
🏢
▼職場復帰・フォロー面談
対象労働者が職場に復帰。復帰後も継続雇用(申請日まで)を確認。
復帰後も継続雇用が要件STEP5
💰
【第2回申請】職場復帰時 → 30万円(+加算最大35万円)
職場復帰後に申請。業務代替支援加算(20万円または5万円)、個別周知・環境整備加算(15万円)も合わせて申請可能。
申請から入金まで:数週間〜2ヶ月【助成金】キャリアアップ助成金(正社員化コース)の場合
STEP1
📝
▼キャリアアップ計画書をハローワーク等に提出
転換日の前日までに計画書を提出・受理が必要。就業規則に正社員転換制度を規定・周知しておくこと。
転換前日まで必須STEP2
🤝
▼正社員への転換実施
就業規則に基づき有期雇用労働者等を正社員に転換。賃金を転換前比3%以上増額することが必須。
STEP3
📅
▼正社員として6ヶ月間就業継続
転換後6ヶ月間の賃金を支払う。この間の賃金台帳・出勤簿等を正確に保管する。
6ヶ月間STEP4
💰
支給申請 → 40万円(重点支援対象者は最大80万円)
6ヶ月分の賃金支払い日の翌日から2ヶ月以内に申請。期限を過ぎると一切受理されない。
申請から入金:1〜3ヶ月【補助金】デジタル化・AI導入補助金の場合
今すぐ
🆔
▼GビズIDプライムを取得する
電子申請に必須。取得まで2〜3週間かかるため、補助金を検討している企業は今すぐ手続きを。
→ https://gbiz-id.go.jp/STEP1
📱
▼導入するITツール・AI機能を選定
登録済みのIT導入支援事業者から対象ツールを選ぶ。ツールが補助金の対象として登録されているか確認が必要。
1〜2週間STEP2
📋
▼交付申請(公募期間内に電子申請)
IT導入支援事業者と共同で申請ページから申請。交付決定前の契約・発注は補助対象外になるため注意。
STEP3
✅
▼交付決定後 → ツールを契約・導入
採択通知受領後に初めて発注・契約が可能になる。決定から契約まで速やかに進める。
採択〜2週間以内STEP4
📊
実績報告書の提出 → 入金
ツール導入完了・支払いを終えてから実績報告。確定検査を経て入金。
報告から入金:1〜3ヶ月5共通書類チェックリスト
ほぼすべての助成金申請で共通して求められる書類です。日頃から整理しておくと申請がスムーズになります。
- 就業規則(対象制度の規定が記載されていること・従業員への周知済みであること)
- 雇用契約書 / 労働条件通知書(対象従業員のもの)
- 出勤簿 / タイムカード(勤務実績の証明)
- 賃金台帳(給与支払いの証明)
- 雇用保険被保険者資格取得確認通知書
- 登記事項証明書(法人の場合)
- 支給要件確認申立書(ハローワーク所定の書式)
- GビズIDプライム(補助金の電子申請に必要)
6申請前に知っておくべき注意点
「どの助成金から始めればいい?」——まず無料診断から
業種・規模・課題によって最適な組み合わせは異なります。
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100社以上のサポート実績で、手続きから受給までしっかり伴走します。
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よくある質問(FAQ)
助成金と補助金は同時に申請できますか?
制度によります。助成金(厚労省系)と補助金(経産省系)は別制度なので原則として併用可能です。ただし、同じ設備投資に対して業務改善助成金とデジタル化・AI導入補助金の両方を使うことはできません。同一の経費に対する重複申請は不可です。どの組み合わせが可能かは補助金自動提案AIシステムで診断できますので、お気軽にご相談ください。
助成金の申請を外部に頼むことはできますか?費用はかかりますか?
助成金の書類作成・提出代行は社会保険労務士(社労士)の独占業務です。リクステップでは提携社労士と連携し、適法な申請サポートを提供しています。費用は制度・サポート内容によって異なります。まず無料診断でどの助成金が使えるかをリストアップし、その後サポート内容・費用についてご相談します。
会社を設立したばかりでも申請できますか?
助成金の多くは「雇用保険適用事業所であること」が基本要件です。設立直後でも雇用保険に加入していれば申請できるものがありますが、制度によっては「前年度の労働保険料を納入していること」などの要件があるため、設立1年未満だと対象外になるケースもあります。補助金(新事業進出補助金等)も一般に設立直後でも申請可能ですが、審査で経営実績を問われることがあります。
助成金は毎年申請できますか?
制度によります。両立支援等助成金(介護離職防止コース)は1年度5人まで、キャリアアップ助成金(正社員化コース)は転換した労働者ごとに申請できます。業務改善助成金は同一事業場で年度内1回ですが、過去に受給していても再申請可能です。「1回きり」ではなく継続して活用できる制度が多いです。
補助金は採択されても必ずもらえますか?
採択後も「実績報告」の審査があります。採択はあくまで「取り組みを進めてよい」という承認であり、実際の補助金は取り組みの完了・実績報告・確定検査を経て初めて振り込まれます。また、補助金は後払いのため、取り組みに必要な費用は自己資金や融資で先に手当てする必要があります。
健康経営優良法人の認定があると助成金・補助金はどう変わりますか?
助成金(厚労省系)は健康経営優良法人の認定があっても金額や要件は基本的に変わりません。一方、補助金(経産省系)では新事業進出補助金やデジタル化・AI導入補助金の審査加点対象として明記されており、採択率向上に直接効きます。また、K-Driveのサービスで健康経営認定の取り組みを進めると、ストレスチェック・保健指導等の実績が助成金の申請要件を自然に満たす設計になっています。
「100%助成金が受けられる」という業者から連絡が来ました。信用できますか?
信用しないでください。厚生労働省も公式に注意喚起しています。「100%受けられる」という謳い文句は虚偽であり、要件を満たしていない申請を代行する業者は不正受給の幇助になります。助成金は要件を正確に満たした場合にのみ受給できます。また、資格のない業者が申請書類を作成・代行することは違法です(社労士法違反)。
