「健康経営優良法人の認定を取ると何が変わるのか」——これが経営者から最も多く寄せられる質問です。一言で言えば、「従業員を大切にしている企業」という国公認の証明が、採用・定着・資金調達・補助金・外国人採用・公共調達まで、経営のあらゆる場面で具体的な優遇をもたらします。
本記事では、経済産業省・厚生労働省・出入国在留管理庁などの一次資料を根拠として、9つのメリットを具体的なデータとともに解説します。「なんとなく良さそう」ではなく、「何がどう変わるか」を数字で理解してください。
6.1%
認定企業の離職率(全国平均12.1%)
96行以上
融資優遇を提供する金融機関数
4,000万円
ものづくり補助金・加点対象最大額
5年
外国人採用ビザの在留期間(カテゴリー1)
9つのメリット一覧

著者 / Author
柴 悠介
株式会社リクステップ CEO / K-Drive株式会社 CTO(最高技術責任者)。シリコンバレーでAI開発エンジニアとして従事後帰国。5,174社・採択率98.4%の健康経営サポート実績を持つK-Driveのシステム基盤を設計・開発。本記事は経済産業省・厚生労働省・出入国在留管理庁等の一次資料をもとに執筆。

医療監修 / Medical Supervisor
冨田 昌秀
K-Drive株式会社 執行役員(オペレーション管掌)/看護師。25年以上の医療・介護・福祉分野の実務経験。NPO法人こころの健康研究所 代表理事、岸和田市介護保険事業者連絡会 会長。本記事の医療・メンタルヘルス関連情報を医療者として監修。
採用力の向上——ハローワーク・求人媒体でロゴ掲載、応募数が変わる
健康経営優良法人の認定を取得すると、求人票・採用サイト・会社案内・名刺などに「健康経営優良法人」ロゴマークを掲載できます。これは「この会社は国から従業員を大切にしていると認められた」という客観的な証明であり、採用市場での差別化に直結します。
2022年6月〜
ハローワーク求人票での
健康経営優良法人ロゴ掲載が可能に
(経済産業省・厚生労働省連携)
+175%
K-Drive導入企業(製造業45名)での
年間採用応募数の増加率
(K-Drive社内調査)
- ハローワーク求人票:2022年6月から求人票に健康経営優良法人ロゴを掲載可能。求職者が「健康経営に取り組む企業」として認識できる。(出典:経済産業省「健康経営の推進について」令和6年8月)
- マイナビ転職等の民間媒体:マイナビ転職が健康経営優良法人の特集ページ・ウェビナー等で普及啓発。認定企業として優先表示・特集掲載の対象になる。
- 就活生の7割が親の意見を重視:就活生とその親への調査で「健康と働き方への配慮」が重視されるという結果が出ており、認定が若手・学生層の応募動機に直接影響する。
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離職率の低下——認定企業6.1%・全国平均12.1%の約半分
採用と並んで経営者が最も関心を持つのが「定着率」です。健康経営優良法人の認定企業は、全国平均と比較して離職率が大幅に低い傾向が、経済産業省のデータで示されています。
離職率の比較(正規社員)
出典:ウィーメックス株式会社「健康経営優良法人2026について」(経済産業省データ引用)。全国平均は厚生労働省「令和6年 雇用動向調査」正規社員ベース。
離職率が半分になるということは、採用コスト・教育コスト・業務継続リスクが半分以下になるということです。1人の採用にかかるコスト(求人広告費・面接工数・研修費)は中小企業で平均数十万〜100万円超とも言われており、定着率向上の経済効果は多くの場合、健康経営への投資を大幅に上回ります。
融資優遇——96行以上の金融機関・日本政策金融公庫で金利優遇
健康経営優良法人の認定企業に対して、96行以上の金融機関が融資優遇措置を設けています。地方銀行・信用金庫・日本政策金融公庫などが、認定を「企業の継続性・安定性の証明」として評価し、金利引き下げや融資審査の優遇を行っています。
96行以上
融資優遇を提供する金融機関数(2026年時点)
7.2億円
日本政策金融公庫の健康経営優遇枠・貸付上限
増加中
毎年参加金融機関が増加。地方銀行・信用金庫も参加
融資優遇の具体的な内容
- 金利引き下げ:健康経営優良法人の認定証を提示することで、融資金利が優遇される。地方銀行・信用金庫ごとに優遇幅は異なるが、0.1〜0.5%程度の引き下げが多い。
- 日本政策金融公庫:「健康経営」に取り組む事業者向けの特別貸付制度があり、最大7.2億円の融資枠で健康経営優良法人が対象。融資審査で優遇的な扱いを受けられる。
- 従業員向けローン優遇:一部の金融機関では、認定企業の従業員向けに住宅ローン・カーローン等の個人ローン金利を優遇する制度もある。採用・定着の間接的な訴求効果になる。
- 取引先への波及:経済産業省が推進するサプライチェーン健康経営として、取引先への健康経営支援を行う企業に対しても追加的な評価が得られるケースがある。
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補助金・助成金の審査加点——ものづくり補助金(最大4,000万円)・IT導入補助金など
健康経営優良法人の認定は、国の主要な補助金・助成金の審査において加点項目として明示されています。補助金の採否は僅差で決まることが多く、加点を持っているかどうかが採択率に直結します。
| 補助金・助成金名 | 最大受給額 | 健康経営との関係 |
|---|---|---|
| ものづくり補助金 | 最大750万〜4,000万円 | 健康経営優良法人が審査の加点対象として明記。製造業・建設業等の設備投資に活用。 |
| IT導入補助金 | 最大150万〜450万円 | 健康経営優良法人が加点項目として明記。生産管理・業務改善システムの導入に活用。 |
| 業務改善助成金 | 最大700万円 | 最低賃金引上げ×設備投資の組み合わせ。健康経営優良法人の認定が申請評価に有利。 |
| 両立支援等助成金 | 最大700万円 | 育児・介護との両立支援制度整備。健康経営の取り組みと要件が重複・連動。 |
| 人材確保等支援助成金 | 最大80万円 | 雇用管理改善・離職率低下の取り組み。健康経営の実績が申請根拠になる。 |
公共調達・入札での加点——全国49カ所以上の自治体で加点実績
自治体が発注する公共工事・業務委託の入札において、健康経営優良法人の認定が加点評価される制度が全国に広がっています。経済産業省の集計によれば49カ所以上の自治体が入札加点制度を設けています(2025年時点)。
49カ所以上
公共調達で加点する自治体数(経済産業省、2025年時点)
138カ所以上
顕彰制度を持つ自治体数(経済産業省、2025年時点)
建設業・建設コンサルへの影響が特に大きい
公共工事の入札評価において使われる「経営事項審査(経審)」では、W評点(労働福祉の状況)の加点項目に健康経営優良法人の認定が含まれています。入札参加格付けで1ランク上がるだけで受注できる案件の規模が大きく変わるため、建設業にとっては特に重要なメリットです。
外国人採用の優遇——在留資格審査「カテゴリー1」に格上げ・ビザ5年・審査2週間
2020年1月6日より、出入国在留管理庁(入管)の就労ビザ審査において、健康経営優良法人の認定企業は「カテゴリー1(上場企業と同等)」として扱われることが公式に定められています。外国人230万人・特定技能前年比+49.4%という時代に、中小企業が外国人採用競争で上場企業と同じ土俵に立てる唯一の手段です。
5年
カテゴリー1企業での在留期間付与の傾向(カテゴリー3は1年が多い)
2〜3週間
カテゴリー1の審査期間目安(カテゴリー3は1〜2ヶ月以上)
激減
提出書類数。認定証の写し1枚追加のみ(決算書・登記不要)
詳細記事
健康経営優良法人を取れば外国人採用がここまで変わる——在留資格カテゴリー1で書類激減・ビザ5年・審査2週間を実現する方法
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生産性向上・プレゼンティーイズムの改善——出勤しているのに機能していないコストを削減
「プレゼンティーイズム」とは、従業員が出勤しているにもかかわらず、心身の不調によってパフォーマンスが低下している状態です。経済産業省の試算では、1人の従業員のプレゼンティーイズムによる生産性損失は年間数十万円にのぼるケースもあり、医療費・欠勤コスト(アブセンティーイズム)よりも経済的損失が大きいとされています。
約60%
健康コストのうちプレゼンティーイズムが占める割合(経済産業省推計)
約1.5倍
健康経営実施企業での生産性向上効果(経済産業省「健康経営の効果測定」調査)
健康経営優良法人の認定要件に含まれるストレスチェック(CAPAスコープ等)・メンタルヘルスケア・保健指導は、プレゼンティーイズムの主要原因であるメンタル不調・慢性疲労・生活習慣病を早期に発見・対処する仕組みです。「認定を取るための取り組み」が、そのまま生産性向上施策になります。
ESG・人的資本開示への対応——2026年3月期から上場企業に義務化、中小企業にも波及
2026年3月期(2025年度)決算から、上場企業には人的資本開示の拡充が義務付けられています。取引先・投資家・金融機関からのESG評価への対応として、健康経営優良法人の認定は「人的資本への投資実績」として最も説得力のある証明になります。
- 上場企業との取引維持・拡大:上場企業がサプライチェーン全体のESG対応を求める動きが拡大中。取引先の上場企業から「健康経営への取り組み状況」を確認されるケースが増えている。認定を持っていることが選択的発注の条件になりうる。
- 金融機関の非財務評価:地方銀行・信用金庫が融資審査において「人的資本への取り組み」を評価指標に加える動きが加速。健康経営優良法人の認定は「非財務指標の可視化」として高く評価される。
- 中小企業への波及:義務化の直接対象は上場企業だが、サプライチェーン・取引先関係を通じて中小企業にも「人的資本への取り組み開示」の圧力が高まっている。今から取り組んでいれば先手を打てる。
ブランド力・社会的信用の向上——ロゴ・メディア掲載・顕彰制度
健康経営優良法人の認定は、採用・融資・補助金といった直接的なメリットの他に、企業のブランドイメージ・社会的信用を継続的に高めるという複合的な効果があります。
- 認定ロゴマークの多用途活用:求人票・会社案内・名刺・ホームページ・見積書・提案書などにロゴを掲載可能。「国から認められたホワイト企業」という印象を取引先・求職者・金融機関に継続的に与える。
- ブライト500(上位500社)の追加価値:中小規模法人部門の上位500社に「ブライト500」の称号が付与される。業界・地域での「健康経営トップランナー」としての認知がさらに高まり、採用・受注・連携での差別化が強化される。
- 自治体からの顕彰・表彰:138カ所以上の自治体が健康経営優良法人に対する顕彰制度を設けており、地域での知名度・信頼性向上につながる。特に地域密着型の中小企業にとって大きな意義がある。
- 取引先・サプライチェーンへの信頼向上:「パートナーシップ構築宣言」に基づくサプライチェーン健康経営の広がりの中で、認定を持つ企業は取引先からの評価が高まる。新規取引・長期取引関係の構築に有利に働く。
9つのメリット一覧——ソース付きまとめ
| # | メリット | 具体的な数値・内容 | 主な出典 |
|---|---|---|---|
| 01 | 採用力向上 | ハローワーク・民間媒体でロゴ掲載可。採用応募数+175%の実績。 | 経済産業省・厚生労働省(2022年6月) |
| 02 | 離職率低下 | 認定企業6.1%(全国平均12.1%の約半分) | 経済産業省「健康経営の推進について」 |
| 03 | 融資優遇 | 96行以上の金融機関・日本政策金融公庫最大7.2億円 | 経済産業省「ACTION!健康経営」 |
| 04 | 補助金加点 | ものづくり補助金最大4,000万円・IT導入補助金・業務改善助成金等 | 経済産業省・各補助金公募要領 |
| 05 | 入札・公共調達加点 | 49カ所以上の自治体で加点。建設業では経審W評点に反映。 | 経済産業省・国土交通省(経審) |
| 06 | 外国人採用優遇 | 在留資格審査カテゴリー1・ビザ5年・審査2〜3週間・書類激減 | 出入国在留管理庁Q&A(令和8年4月) |
| 07 | 生産性向上 | プレゼンティーイズムが健康コストの約60%。ストレスチェックで早期対処。 | 経済産業省「健康経営の効果測定」 |
| 08 | ESG・人的資本開示 | 上場企業との取引維持・金融機関の非財務評価・中小企業への波及対応 | 内閣官房・金融庁・経産省(2026年1月) |
| 09 | ブランド力向上 | ロゴ多用途活用・顕彰138カ所以上・ブライト500・サプライチェーン評価 | 経済産業省「ACTION!健康経営」 |
9つのメリットを、今年中に手に入れる
5,174社・採択率98.4%の実績を持つK-Drive×リクステップが
申請から認定後の活用まで、一気通貫でサポートします。
業種別の活用方法を詳しく知る
よくある質問(FAQ)
健康経営優良法人の認定を取るのに費用はどれくらいかかりますか?
中小規模法人部門の申請料は16,500円(税込)のみです。認定準備の実務コストは外部委託するか自社対応かで変動しますが、K-Drive×リクステップでは月額1.5万円〜(初期費用0円)、助成金活用で年間平均186万円を獲得し実質負担を相殺しています。
認定を取るとどのくらいで9つのメリットを実感できますか?
ロゴ掲載・入札加点・融資優遇は認定証が届いた時点で即日適用可能です。補助金加点は次回公募から、外国人採用カテゴリー1の優遇は次回ビザ申請から適用されます。離職率改善・採用応募数の増加は6ヶ月〜1年で効果が可視化されるケースが多いです。
9つのメリットは全業種・全規模の企業に当てはまりますか?
基本的にはどの業種・規模でも一定のメリットがあります。特に建設業は経審W評点、運輸・物流業は2024年問題への対応、製造業はメンタル不調対策、介護業はカスハラ・感情労働対策、外国人採用企業はカテゴリー1格上げなど、業種特有のメリットが上乗せされます。
認定を取るために必要な期間はどれくらいですか?
標準的には6〜9ヶ月です。申請は毎年8月〜10月頃に受付され、翌年3月頃に認定発表されます。K-Drive×リクステップでは最短2週間でサービスを開始し、初年度から認定取得できるよう逆算してサポートします。
認定を取った後、維持するのは大変ですか?
毎年の更新申請が必要ですが、初年度の取り組みが継続していれば負担は大幅に軽減されます。K-Drive×リクステップでは更新申請・実績レポート作成・CAPAスコープでのストレスチェック運用までワンストップでサポートするため、継続コストを最小化できます。
