両立支援等助成金介護離職防止2026年度版一次ソース確認済

両立支援等助成金(介護離職防止支援コース2026年度版|支給額・要件・申請書類を完全解説

介護休業で最大40万円、介護両立支援制度で最大25万円、業務代替支援・個別周知加算も含め1人あたり最大100万円超。令和8年4月15日差替版の一次資料をもとに徹底解説。

2026年4月20日

40万円

介護休業コース(取得+復帰合計)

25万円

介護両立支援制度(制度2つ以上導入)

20万円

業務代替支援加算(新規雇用・派遣受入)

5

1年度の支給上限(各区分ごと)

柴 悠介

著者 / Author

柴 悠介

株式会社リクステップ CEO / K-Drive株式会社 CTO。100社以上への助成金・補助金申請サポート実績。本記事は厚生労働省「両立支援等助成金支給申請の手引き(2026年度版)」令和8年4月15日差替版を一次資料として作成。

1制度の概要——なぜ今この助成金が重要か

日本では今や628万人が家族の介護をしながら働いており、そのうち346万人(約55%)が就業中(総務省 2017年就業構造基本調査)。介護を理由とした離職者は年間約10万人にのぼります。しかし育児休業と異なり、介護休業の取得率は低く、制度が整備されていない中小企業がほとんどです。

この課題に対し厚生労働省が設けたのが「両立支援等助成金(介護離職防止支援コース)」です。仕事と介護の両立を支援した中小企業に対して、助成金を支給することで制度整備を促進します。

2対象事業主の要件(中小企業の定義)

介護離職防止支援コースは中小企業事業主が対象です。以下の表でA・Bのどちらか一方を満たせば「中小企業」と認定されます。

業種A. 資本額または出資額B. 常時雇用する労働者数
小売業(飲食業含む)5,000万円以下50人以下
サービス業5,000万円以下100人以下
卸売業1億円以下100人以下
その他(製造業・建設業等)3億円以下300人以下

3支給額の全体像——3区分+加算を整理する

介護離職防止支援コースは「①介護休業」「②介護両立支援制度」「③業務代替支援」の3区分と、さらに「個別周知・環境整備加算」で構成されます。

区分内容支給額(中小)上限
①介護休業介護休業の取得・職場復帰40万円(取得+復帰セット)1年度5人まで
②介護両立支援制度A制度を1つ導入&利用20万円1年度5人まで
②介護両立支援制度B制度を2つ以上導入&1つ以上利用25万円1年度5人まで
③業務代替支援(新規雇用)介護休業中の代替要員を新規雇用または派遣受入20万円1年度5人まで
③業務代替支援(手当A)介護休業取得者の代替業務を行う従業員に手当支給5万円1年度5人まで
③業務代替支援(手当B)介護短時間勤務者の代替業務を行う従業員に手当支給3万円1年度5人まで
個別周知・環境整備加算①または②への加算。制度説明+雇用環境整備2措置以上15万円①②それぞれに加算可

4各区分の支給要件を詳しく解説

【共通要件】すべての区分に共通する前提条件

共通要件(全区分に適用)
  • 雇用保険の適用事業所であること
  • 中小企業事業主であること(上記の定義参照)
  • 介護休業の取得・職場復帰支援に関する方針を社内周知していること
  • 対象労働者との面談を実施し、介護支援プランを作成・実施していること
  • 就業規則に介護制度を規定し、従業員に周知していること
  • 申請日の前日から1年前の間に、会社都合による解雇・雇い止めがないこと

① 介護休業区分の要件

介護休業(40万円)の主な要件
  • 対象労働者が連続5日以上の介護休業を取得すること
  • 介護休業終了後、支給申請日まで継続雇用されていること
  • 介護休業取得前に介護支援プランを作成し、面談を実施していること
  • 対象家族が要介護状態にあること(介護保険被保険者証・ケアプラン・医師の証明等で確認)

② 介護両立支援制度区分の要件

介護両立支援制度(20万円または25万円)の主な要件
  • 以下の介護両立支援制度のいずれかを就業規則等に規定し、対象労働者が利用すること
  • 対象制度の利用を合計20日以上(一部制度は除く)すること
  • 制度利用開始から6ヶ月を経過する日の間に、一定の要件を満たすこと
  • 支給申請日まで継続雇用されていること

介護両立支援制度(8種類):①所定外労働の制限制度 ②時差出勤制度 ③深夜業の制限制度 ④短時間勤務制度 ⑤在宅勤務(テレワーク)制度 ⑥フレックスタイム制度 ⑦法を上回る介護休暇制度 ⑧介護サービス費用補助制度

③ 業務代替支援区分の要件

業務代替支援(新規雇用:20万円)の主な要件
  • 対象労働者が介護休業を連続5日以上取得すること
  • 業務代替要員を新規雇用または派遣受入で確保すること
  • 代替要員が介護休業期間中に対象労働者の業務を代替すること
業務代替支援(手当支給A:5万円 / 手当支給B:3万円)の主な要件
  • 業務を代替する労働者への手当制度等を就業規則等に規定していること
  • 対象労働者が介護休業を連続5日以上取得(A)または短時間勤務を合計15日以上利用(B)すること
  • 業務代替者への手当を実際に支給すること

個別周知・環境整備加算の要件(15万円)

個別周知・環境整備加算(①または②への加算)
  • 対象労働者に対し、介護に係る自社制度の説明・介護休業取得時の待遇の説明を資料で行うこと
  • 社内の労働者向けに、仕事と介護を両立しやすい雇用環境整備の措置を2つ以上講じること
  • 雇用環境整備の措置(例):介護に関する研修・相談窓口の設置・社内報への掲載・管理職向け説明会の実施 等

5申請から入金までのスケジュール

「介護支援プランは介護休業開始前に作成」が絶対条件です。休業後に作成したプランは対象外になります。

介護休業(40万円)のスケジュール

介護休業区分——休業取得から入金まで最短でも4〜6ヶ月

事前

📋

就業規則への介護制度規定・社内周知

介護休業・介護支援制度を就業規則等に規定し、全従業員に周知する。未規定の場合はここから着手が必要。

1〜2週間(就業規則改定が必要な場合)

STEP1

🤝

対象労働者との面談・介護支援プランの作成

介護が必要な状況を把握し、介護休業開始前にプランを作成する。業務の引き継ぎ・休業中の連絡方法・復帰後のフォロー面談等を含める。

⚠ 休業開始前に必ず作成

STEP2

🏖

介護休業の取得(連続5日以上)

対象労働者が連続5日以上の介護休業を取得する。この間の出勤簿・賃金台帳等を正確に記録・保管すること。

5日〜最大93日(3回まで分割可)

STEP3

🏢

職場復帰・フォロー面談

対象労働者が職場に復帰する。復帰後のフォロー面談を実施し、面談記録を残す。支給申請日まで継続雇用が要件。

STEP4

📤

支給申請書の提出(申請期限に注意)

介護休業終了日の翌日から起算して1ヶ月が経過した日の翌日から2ヶ月以内に、都道府県労働局 雇用環境・均等部(室)へ提出。電子申請も可能。

⚠ 期限超過は一切受理されない

STEP5

💰

審査・支給決定通知 → 入金(40万円)

支給決定通知書が送付され、指定口座に振り込まれる。追加書類の提出やヒアリングが入ることもある。

申請から入金まで:1〜3ヶ月程度

介護両立支援制度(20〜25万円)のスケジュール

介護両立支援制度区分——制度利用終了から2ヶ月以内に申請

事前

📝

介護両立支援制度を就業規則に規定・周知

対象の8制度のうち1つ以上(25万円の場合は2つ以上)を就業規則等に規定し、従業員に周知する。

STEP1

🤝

面談・介護支援プランの作成

対象労働者と面談し、制度利用開始前にプランを作成。本人の希望・業務体制の検討等を記録する。

⚠ 制度利用開始前に作成

STEP2

介護両立支援制度の利用(合計20日以上)

短時間勤務・テレワーク等の制度を対象労働者が合計20日以上利用する。制度利用の実績記録を保管する。

合計20日以上の利用

STEP3

📤

支給申請書の提出

制度利用期間の最終日から起算して1ヶ月が経過した日の翌日から2ヶ月以内に申請。

⚠ 期限厳守

STEP4

💰

審査・入金(20万円または25万円)

支給決定後、指定口座に振り込まれる。

申請から入金まで:1〜3ヶ月程度

6必要書類チェックリスト

書類の不備があると審査が止まります。申請前に以下を確認してください。

共通書類(全区分)

支給申請書(所定様式)
支給要件確認申立書(共通要領様式第1号)
就業規則または労働協約の写し(介護制度の規定箇所)
介護支援プランの写し
面談記録の写し
対象労働者の雇用保険被保険者証の写し
賃金台帳・出勤簿の写し
対象家族の要介護状態を確認できる書類

介護休業区分(追加書類)

介護休業申出書
介護休業期間を確認できる書類
職場復帰後のフォロー面談記録
業務代替支援の場合:雇用契約書または労働者派遣契約書
手当支給の場合:手当の支給実績を確認できる賃金台帳等

介護両立支援制度区分(追加書類)

制度の利用申出書
制度利用実績記録(出勤簿・シフト表等)
合計20日以上の利用を確認できる書類

個別周知・環境整備加算(追加書類)

個別周知の実施を確認できる書類(資料・説明記録等)
雇用環境整備の実施記録(2措置以上)
研修資料・相談窓口設置の証跡等

7令和8年度の拡充ポイント

令和8年度(2026年度)は介護離職防止支援コースに新たな拡充が加えられています。

変更・拡充内容詳細
🆕 介護休暇有給化加算(新設)有給の介護休暇制度を導入した場合:30万円
年10日以上の有給介護休暇を設けた場合:50万円
📋 申請手引き 令和8年4月15日差替版令和8年4月15日時点で最新版のパンフレット・手引きが更新済み。必ず最新版を使用すること(旧様式は受理されないケースあり)。
✅ 電子申請の継続全コースで電子申請が引き続き利用可能。雇用関係助成金ポータルから24時間申請・状況確認が可能。

8よくある失敗と注意点

「うちで申請できるか確認したい」——まず無料診断から

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よくある質問(FAQ)

介護支援プランはどのように作ればいいですか?

厚生労働省が「介護支援プラン策定マニュアル」を公式HPで配布しています。このマニュアルに沿って作成すれば問題ありません。プランには①業務の整理・引き継ぎ方法 ②休業中の連絡方法 ③復帰後のフォロー面談の予定 等を盛り込みます。また、厚生労働省が無料で派遣する「仕事と家庭の両立支援プランナー」に中小企業への訪問支援を依頼することもできます。

介護が必要な家族に介護認定がなくても対象になりますか?

なります。要介護認定(要介護度2以上)がなくても、医師の診断書・ケアプラン・障害者手帳・入院記録・事業主と労働者の連名による申立書等で「常時要介護が必要な状態」であることが確認できれば対象になります。認定がないからといって諦めずに、労働局に相談することをお勧めします。

同じ従業員が介護休業と介護両立支援制度の両方を使った場合、両方の助成金をもらえますか?

一定の制限があります。同一の対象労働者について、介護休業と介護両立支援制度の両方を申請することはできますが、業務代替支援との組み合わせ等については各区分の要件を個別に確認する必要があります。詳細は申請前に都道府県労働局に確認してください。

申請は自社でできますか?社労士に頼む必要がありますか?

事業主自身が申請することも可能です。ただし必要書類が多く、要件の確認が複雑なため、書類の不備で申請が差し戻されるケースが多くあります。リクステップでは提携社労士と連携し、適法な申請サポートを提供しています。まず無料診断で自社が対象かどうかを確認してみてください。

申請期限を過ぎてしまった場合はどうなりますか?

一切受理されません。「介護休業区分」は休業終了日の翌日から1ヶ月経過後2ヶ月以内、「介護両立支援制度区分」は制度利用期間の最終日から1ヶ月経過後2ヶ月以内が申請期限です。期限管理は最も重要な作業の一つです。カレンダーに申請期限を記録し、余裕を持って準備を進めてください。

1年度に何人まで申請できますか?

各区分ごとに1年度5人までです。介護休業・介護両立支援制度・業務代替支援それぞれで最大5人ずつ申請できるため、組み合わせ次第では1年度で数百万円規模の受給も可能です。