育休中等業務代替支援コース両立支援等助成金2026年度版一次ソース確認済

両立支援等助成金(育休中等業務代替支援コース2026年度版|最大140万円・3区分の支給額・要件を完全解説

手当支給(育児休業)最大140万円・先行支給最大30万円、手当支給(短時間勤務)最大128万円、新規雇用最大67.5万円。令和8年4月15日差替版・支給要領を一次資料に徹底解説。

2026年4月20日

140万円

①手当支給(育児休業)最大額

128万円

②手当支給(短時間勤務)最大額

67.5万円

③新規雇用(6ヶ月以上)最大額

10

1年度の支給上限(初回から5年間)

柴 悠介

著者 / Author

柴 悠介

株式会社リクステップ CEO / K-Drive株式会社 CTO。100社以上への助成金・補助金申請サポート実績。本記事は厚生労働省「両立支援等助成金支給申請の手引き(2026年度版)」令和8年4月15日差替版・支給要領(令和8年4月8日時点)を一次資料として作成。

1制度の概要と新設の背景

育児休業の取得促進において「育休を取る本人は助成されるが、残された職場の人員は誰も助成されない」という矛盾が長年指摘されていました。これが職場内の「育休ずるい」という不満を生み、育休取得を妨げる一因にもなっていました。

この問題を解決するため、令和5年12月22日「こども未来戦略」(閣議決定)に基づき、令和6年1月1日から「育休中等業務代替支援コース」が新設されました。育休取得者の業務を担う周囲の従業員への手当支給、または代替要員の新規雇用に対して助成することで、職場全体で育休を支える体制づくりを推進します。

2対象事業主——区分ごとに異なる規模要件に注意

育休中等業務代替支援コースは3つの区分があり、区分によって対象となる企業規模が異なります

区分対象事業主の規模要件
①手当支給等(育児休業)
②手当支給等(短時間勤務)
常時雇用労働者数が300人以下の事業主
(資本金要件なし。中小企業以外でも300人以下なら対象)
③新規雇用(育児休業)中小企業事業主のみ(産業別の資本金・人数基準あり)

中小企業の定義は、①小売業:常時50人以下または資本5,000万円以下 ②サービス業:100人以下または5,000万円以下 ③卸売業:100人以下または1億円以下 ④その他(製造業・建設業等):300人以下または3億円以下のいずれかを満たす場合です。

33区分の支給額を徹底解説

①手当支給等(育児休業)

最大140万円

A(体制整備費)+B(代替手当)。うち最大30万円を先行支給

A. 業務体制整備経費:
固定6万円(育休1ヶ月未満は2万円)
社労士委託の場合:最大20万円

B. 業務代替手当:
支給した手当総額の3/4
上限:月10万円×最大12ヶ月=120万円

先行支給あり
②手当支給等(短時間勤務)

最大128万円

A(体制整備費)+B(代替手当)。うち最大23万円を先行支給

A. 業務体制整備経費:
固定6万円(社労士委託:最大20万円)

B. 業務代替手当:
支給した手当総額の3/4
上限:月3万円×最大36ヶ月(子3歳まで)
=108万円

先行支給あり
③新規雇用(育児休業)

最大67.5万円

代替期間に応じて変動(7日以上〜6ヶ月以上)

代替期間別支給額:
7日以上14日未満:9万円
14日以上1ヶ月未満:13.5万円
1ヶ月以上3ヶ月未満:27万円
3ヶ月以上6ヶ月未満:45万円
6ヶ月以上:67.5万円

共通の加算措置

加算の種類支給額要件
有期雇用労働者加算+10万円育休取得者または制度利用者が有期雇用労働者の場合。業務代替期間が1ヶ月以上の場合のみ。育休開始前6ヶ月間に無期雇用でなかった者に限る。
育児休業等に関する情報公表加算+2万円自社の育休取得率・平均取得日数等を「両立支援のひろば」サイトで公表した場合。1事業主につき1回限り
プラチナくるみん認定加算手当3/4→4/5 新規雇用は割増額プラチナくるみん認定事業主の場合、手当の助成割合が4/5に引き上げ。新規雇用は期間別支給額が1.22倍程度に増額。

4支給額の計算方法——具体的な計算例

計算例①:手当支給(育児休業)で最大近く受給するケース

育休取得者が6ヶ月育休を取得し、業務代替者3名に毎月合計16万円の手当を支給した場合

🧮 手当支給(育児休業)の計算例

A. 業務体制整備経費(固定・社労士委託なし)6万円
B. 業務代替手当:月16万円 × 6ヶ月 = 96万円 × 3/472万円
(※月上限10万円 × 6ヶ月 = 60万円と比較して低い方)→ 60万円
合計支給額(A+B)66万円

🧮 社労士に業務体制整備を委託した場合(最大ケース)

A. 業務体制整備経費(社労士委託・上限)20万円
B. 業務代替手当:月上限10万円 × 12ヶ月120万円
最大合計140万円

計算例②:新規雇用(育児休業)のケース

🧮 新規雇用(育児休業)代替期間4ヶ月のケース

代替期間:3ヶ月以上6ヶ月未満45万円
有期雇用労働者加算(育休取得者が有期の場合)+10万円
合計55万円

5各区分の支給要件詳細

① 手当支給等(育児休業)の要件

手当支給等(育児休業)——主な支給要件
  • 代替業務の見直し・効率化の取組を実施すること(業務の一部休止・マニュアル作成・ITツール活用等)
  • 業務を代替する労働者への手当制度等を就業規則等に規定していること(代替期間開始前に規定必須)
  • 対象労働者が7日以上の育児休業を取得すること(うち所定労働日3日以上)
  • 業務を代替する労働者への手当等を支給すること(手当総額1万円以上が最低基準)
  • 対象労働者が復帰後も支給申請日まで継続雇用されていること
  • 育休期間が1ヶ月以上の場合、原職等への復帰かつ3ヶ月以上の継続雇用が必要
  • 一般事業主行動計画を策定し、労働局に届け出ていること

② 手当支給等(短時間勤務)の要件

手当支給等(短時間勤務)——主な支給要件
  • 代替業務の見直し・効率化の取組を実施すること
  • 業務を代替する労働者への手当制度等を就業規則等に規定していること
  • 対象労働者が育児のための短時間勤務制度を1ヶ月以上利用すること
  • 業務を代替する労働者への手当等を支給すること(手当総額3,000円以上が最低基準)
  • 対象労働者が支給申請日まで継続雇用されていること
  • 一般事業主行動計画を策定し、労働局に届け出ていること

③ 新規雇用(育児休業)の要件

新規雇用(育児休業)——主な支給要件
  • 育児休業取得者の代替要員を新規雇用または派遣受入で確保すること
  • 新規雇用・派遣受入の開始日が、育休取得者(またはその配偶者)の妊娠の事実を事業主が知った日以降であること
  • 対象労働者が7日以上の育児休業を取得すること
  • 代替要員が育児休業中に業務を代替していること(同一事業所・同一部署・所定労働時間が育休取得者の1/2以上)
  • 育休期間1ヶ月以上の場合は原職等復帰かつ3ヶ月以上の継続雇用が必要

6申請スケジュール——先行支給の活用が鍵

育休中等業務代替支援コースには「先行支給」という制度があり、育休開始から1ヶ月経過時点で一部の助成金を先に受け取れます。資金繰りの観点からも積極的に活用すべきポイントです。

①手当支給等(育児休業)のスケジュール

手当支給(育児休業)——先行支給(最大30万円)と復帰時申請の2段階

事前

📝

就業規則の整備・手当制度の規定

育休制度・手当制度を就業規則に明記。一般事業主行動計画を策定し労働局に届け出る。代替期間開始前に規定が必要。代替業務の見直し・効率化の取組も実施。

⚠ 育休開始前に完了必須

STEP1

🏖

育児休業の開始・業務代替者への手当支給

対象労働者が7日以上の育休を取得。業務代替者に定めた手当(手当総額1万円以上)を支給する。手当の支払記録・賃金台帳を正確に保管。

先行

💰

【先行支給申請】育休開始から1ヶ月経過後(最大30万円)

育休開始から1ヶ月が経過した日の翌日から2ヶ月以内に第1回申請。業務体制整備経費(最大20万円)+1ヶ月分の手当(上限10万円)を先行受給できる。

先行支給:最大30万円

STEP2

🏢

育児休業終了・職場復帰

対象労働者が原職等に復帰。育休期間1ヶ月以上の場合は復帰後3ヶ月以上の継続雇用が要件。この間も手当支払い実績を記録。

STEP3

📤

【復帰時申請】残額の支給申請

育休終了後(育休1ヶ月以上の場合は復帰後3ヶ月の雇用確認後)に残額を申請。先行支給分を除いた手当相当額(最大110万円)を受給。

残額:最大110万円

③新規雇用(育児休業)のスケジュール

新規雇用(育児休業)——代替期間に応じて1回申請

事前

📋

代替要員の採用・派遣受入の準備

妊娠の事実を知った日以降に採用活動を開始。代替要員の採用日・業務内容を記録。同一部署・同一事業所・所定労働時間が育休取得者の1/2以上であることを確認。

⚠ 妊娠事実を知った日以降に雇用開始

STEP1

🏖

育児休業の取得・代替要員による業務代替

育休取得者が7日以上育休を取得。代替要員が実際に業務を代替した期間を記録する(日報・勤務記録等で証明)。

STEP2

🏢

育休終了・職場復帰(育休1ヶ月以上は3ヶ月継続雇用)

原職等への復帰を確認。育休期間が1ヶ月以上の場合は復帰後3ヶ月の継続雇用が要件。

STEP3

📤

支給申請——代替期間に応じた金額を受給

育休終了後(または3ヶ月継続雇用確認後)に申請。代替期間の長さに応じて9万円〜67.5万円を受給。

9万円〜67.5万円(期間による)

7必要書類チェックリスト

申請は2段階(先行支給申請+復帰時申請)になります。それぞれで書類が異なります。

共通書類(全区分)

支給申請書(所定様式)
支給要件確認申立書(共通要領様式第1号)
育児・介護休業規程(就業規則)の写し
手当制度の規定(就業規則等)の写し
一般事業主行動計画の策定・届出を確認できる書類
育休取得者の育児休業申出書・取得期間を確認できる書類
賃金台帳・出勤簿(育休取得者・業務代替者の両方)

①②手当支給等(先行支給申請時)

業務代替手当の支給実績を確認できる賃金台帳等
業務の見直し・効率化の取組の実施記録
業務代替者の出勤簿・雇用契約書等
(社労士委託の場合)委託契約書・実施報告書

①②手当支給等(復帰時申請時)

育休終了・原職復帰を確認できる書類
育休終了後の継続雇用(3ヶ月分)の賃金台帳等
手当支給総額の計算書・明細
有期雇用労働者加算申請の場合:雇用契約書等

③新規雇用(育児休業)

代替要員の雇用契約書(または派遣契約書)
代替要員の採用時期・業務代替期間を確認できる書類
代替要員の業務代替実績(日報・シフト表等)
妊娠の事実を知った日を確認できる記録
育休終了・復帰後継続雇用を確認できる書類

8よくある失敗と注意点

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よくある質問(FAQ)

手当は1人の代替者だけでなく、複数名に分けて支給してもよいですか?

はい、複数名への手当支給でも合算して申請できます。育休取得者の業務を3名で分担し、それぞれ月2万円・3万円・1万円の手当を支給した場合、合計6万円×3/4が助成対象になります。ただし、手当が「労働時間に応じて支給される賃金」(時間外手当等)ではなく、業務代替の対価であることが必要です。

育休中に対象労働者が少し業務に関与した場合はどうなりますか?

育休中に育休取得者が就労していた期間は代替期間から除外されます。就労実績がある日は「育休期間外」として計算されるため、手当支給額・新規雇用の代替期間が短くなります。育休中の就労は育児・介護休業法上は可能ですが、助成金計算への影響を把握しておく必要があります。

短時間勤務(②)は子が3歳まで継続して申請できますか?

はい、短時間勤務区分(②)は子が3歳になるまでの期間中、手当を支給し続けることで継続して申請できます。ただし1人の対象労働者について同一の子に係る短時間勤務は1回のみが対象で、支給申請は制度利用1年ごとに行う必要があります。支給上限は月3万円×36ヶ月(子3歳まで)=108万円です。

新規雇用した代替要員をその後も正社員として雇い続けることはできますか?

できます。助成金の要件は「代替期間中に業務を代替したこと」であり、育休終了後に代替要員をそのまま継続雇用することは問題ありません。また、代替要員をキャリアアップ助成金(正社員化コース等)の対象者にすることも可能です。

育休中等業務代替支援コースと育児休業等支援コースは重複申請できますか?

一部制限があります。育休中等業務代替支援コース(①手当支給・育児休業)と育児休業等支援コース(育休取得時)は、同一の育休取得者の同一育休について併給できません。一方、出生時両立支援コース(第1種)との併用は可能です。申請前に必ず確認してください。

在宅勤務(テレワーク)で復帰した場合も継続雇用の要件を満たせますか?

原則として、在宅勤務で復帰していても業務日報等で勤務実態(勤務日・始業終業時刻・業務内容)が確認できる場合に限り、継続雇用の要件を満たします。テレワークでの復帰の場合は、勤務実態の記録を特に丁寧に保管してください。