
著者 / Author
柴 悠介
株式会社リクステップ CEO / K-Drive株式会社 CTO。100社以上への助成金・補助金申請サポート実績。本記事は中小企業庁「小規模事業者持続化補助金(通常枠)令和6年度補正予算」公募要領・商工会議所地区/商工会地区 持続化補助金事務局公式情報を一次資料として作成。
1制度の概要——「助成金」と「補助金」の違いに注意
小規模事業者持続化補助金(持続化補助金)は、経済産業省・中小企業庁が所管する「補助金」です。助成金と異なり、採択審査があります(要件を満たせば全員受給できる助成金とは別物)。経営計画の質が採択を左右するため、商工会議所・商工会と一緒にしっかり準備することが重要です。
目的は「小規模事業者の販路開拓や業務効率化(生産性向上)の取り組みを支援すること」。幅広い経費が対象で、採択されると経費の2/3が補助されます(最大50万円、特例適用で最大200万円)。
2補助額と主な申請枠
通常枠(基本)
50万円
補助率:2/3(赤字事業者は3/4)
全業種・幅広い経費OKインボイス特例 上乗せ
+50万円
免税事業者→適格請求書発行事業者に転換
最大100万円賃金引上げ特例 上乗せ
+150万円
事業場内最低賃金を地域別最低賃金+50円以上に
最大200万円| 申請枠 | 補助上限額 | 補助率 | 主な対象 |
|---|---|---|---|
| 一般型 通常枠 | 50万円〜200万円 特例適用で最大200万円 | 2/3(赤字3/4) | 全業種の小規模事業者が販路開拓・業務効率化に取り組む場合 |
| 創業型 | 200万円 インボイス特例で+50万円 | 2/3 | 認定市区町村等の支援を受け創業から3年以内(または創業予定)の事業者 |
| 共同・協業型 | 500万円〜1,000万円 | 2/3 | 複数の小規模事業者が共同で取り組む場合 |
| ⚠ 補助金は後払い・事前に自己資金での支出が必要。採択後に交付決定が出てから事業に着手(着手前の経費は対象外)。 | |||
3対象経費——使えるもの・使えないもの
✅ 主な対象経費
- ✓機械装置等費(製造・販売に必要な機器・設備)
- ✓広報費(チラシ・パンフレット・看板・DM)
- ✓ウェブサイト関連費(HP制作・ECサイト構築)
- ✓展示会等出展費(オンライン展示会含む)
- ✓新商品開発費(試作品製造など)
- ✓借料(機器・スペースのレンタル費)
- ✓委託・外注費(業務委託・外注費)
- ✓店舗改装費(販路開拓に資するもの)
❌ 対象外の主な経費
- ✗PC・タブレット・スキャナー・Wi-Fiルーター等(汎用性が高いもの)
- ✗老朽化した設備の単純な取り替え更新
- ✗事務机・応接ソファ等(通常の事務用品)
- ✗交付決定前に発注・購入したもの
- ✗販売する商品の仕入・製造原価
- ✗他の補助金と同一の経費への重複申請
4採択を勝ち取る経営計画の書き方
持続化補助金の採択を左右するのは「経営計画」と「補助事業計画」の質です。審査員は「この取り組みで本当に販路が広がるか・生産性が上がるか」を評価します。
採択されやすい経営計画の3つのポイント
- 自社の強み・弱みを具体的に分析:「地域で唯一の○○専門店」「20年の職人技術」など、他社との差別化要素を明確に。SWOT分析を使って整理すると説得力が増す。
- 取り組みの必要性と効果が論理的につながっている:「現状この課題がある→この取り組みをすることで→こういう効果が出る」という因果関係が明確なこと。「なんとなく広告を出したい」ではなく「新規顧客層(×歳代女性)にアプローチするためにX媒体でY円の広告を実施し、月Z件の問い合わせ増加を目指す」という具体性。
- 数値目標を入れる:「売上○%増」「新規顧客○人獲得」「問い合わせ件数○件/月」など、達成度を測れる数値目標を明記する。
5申請の流れ——商工会議所・商工会との連携が必須
地域の商工会議所または商工会に相談・経営計画の作成
まず地域の商工会議所(商工会議所地区)または商工会(商工会地区)を訪問して相談。経営計画・補助事業計画の作成についてアドバイスをもらう。商工会議所・商工会のサポートは無料。
公募締切の2〜3ヶ月前には相談開始を「事業支援計画書(様式4)」の発行を依頼・受け取る
電子申請システムに経営計画を入力し、商工会議所・商工会に様式4の発行依頼。様式4の発行受付締切は公募締切より2週間程度前のため、早めに動くことが重要。
⚠ 様式4の発行依頼期限は公募締切より前電子申請システムで申請
申請は電子申請のみ。郵送は一切受け付けない。GビズIDプライムが必要なため、事前に取得しておく(取得に2〜3週間かかる場合あり)。公募締切当日は混雑するため、余裕をもって申請を。
GビズIDプライムの事前取得が必須採択発表 → 交付申請 → 交付決定後に事業開始
採択後、見積書等を提出し交付決定を受ける。交付決定前に発注・購入した経費は一切対象外。交付決定のメールを受け取ってから発注すること。
⚠ 交付決定前の着手は絶対NG事業実施 → 実績報告書の提出 → 補助金受領
事業実施期限内に取り組みを完了し、経費の支払いを終える。実績報告書に証拠書類(領収書・完了写真等)を添付して提出。審査後に補助金が振り込まれる。
補助金は後払い。先に全額を自己資金で支出が必要「経営計画の書き方がわからない」——一緒に作ります
持続化補助金の経営計画作成から商工会議所との連携、電子申請まで
リクステップがサポートします。まず無料診断で自社の状況を確認してください。
よくある質問(FAQ)
「助成金」と「補助金」は何が違うのですか?
助成金は要件を満たせば(原則として)支給される制度で、審査落ちリスクが低い。補助金は審査・採択があり、申請しても不採択になる可能性があります。持続化補助金は「補助金」のため、経営計画の質が採択の可否を左右します。また補助金は後払い(先に自己資金で支出が必要)ですが、助成金は先行支給がある場合もあります。
採択率はどのくらいですか?
通常枠は回によって3〜9割と大きく変動します。経営計画の質・競合申請数・予算額によって変わります。採択率が低い回でも、しっかり作り込んだ計画は採択される傾向があります。商工会議所・商工会のサポートを受けながら計画を練ることが採択への近道です。
GビズIDプライムとは何ですか?どこで取得できますか?
GビズIDプライムは、政府の各種電子申請に使う法人・個人事業主向けの認証アカウントです。持続化補助金の電子申請に必須で、申請から発行まで2〜3週間かかる場合があります。GビズIDの公式サイト(https://gbiz-id.go.jp/)から無料で申請できます。公募締切に間に合うよう、早めに取得してください。
ホームページ制作だけで申請できますか?
ウェブサイト関連費単独では申請できません。ウェブサイト関連費は補助金総額の1/4が上限で、かつ他の経費(広報費・機械装置等費等)とセットで申請する必要があります。「HP制作だけで50万円申請したい」というケースは対象外になります。
他の補助金と併用できますか?
同一の経費に対する重複申請はできませんが、対象経費・対象事業が異なる場合は併用可能です。例:持続化補助金で広報費+デジタル化AI導入補助金で会計ソフト導入、のように経費を分けて申請できます。詳細は事前に商工会議所・商工会または事務局に確認してください。




