補助金・助成金令和8年度一次情報確認

令和8年度の助成金は
何が変わった?

新設・廃止・拡充を、制度名の羅列ではなく「今年の経営判断に何が効くか」という順番で整理します。

2026年9月16日更新

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厚労省支給要領の最新更新

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重点的に見る経営テーマ

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業務改善助成金のR8コース

実施前

計画・申請確認の原則

柴 悠介

著者 / Author

柴 悠介

株式会社リクステップ CEO。企業の業務整理と、補助金・助成金を活用した実行計画の設計を支援しています。本記事は厚生労働省の公式資料を一次情報として、制度変更の意味を実務目線で整理しました。

01令和8年度の助成金は「去年の続き」ではない

助成金の年度改定は、制度名が残るため見落とされがちです。しかし実務で効くのは、コースの名前よりも、誰が対象になるか、いつまでに何を提出するか、どの行動にお金がつくかの変更です。

令和8年度は、採用・定着、育児介護との両立、学び直し、賃上げと生産性向上の4つに変更が集まっています。制度を「もらえるお金」として見るのではなく、今年予定している経営施策の費用を、どの制度で支えられるかを逆算するのが現実的です。

最初にやること

  • 今年度の採用・賃上げ・研修・設備投資の予定を月別に並べる
  • 実施前の計画届・認定申請が必要かを確認する
  • 同じ人・同じ経費を別制度に重ねない
  • 支給要領と申請様式の更新日を控える

02まず押さえたい、新設・廃止・拡充の全体像

新設

キャリアアップ助成金に情報開示加算

正社員化コースでは、非正規雇用労働者の情報開示に関する加算が新設されました。中小企業は1事業所あたり20万円の加算が示されています。正社員化だけでなく、採用後の透明性や定着施策まで設計している企業は、制度の変更を自社の人事方針に接続しやすくなります。
廃止

社会保険適用時処遇改善コースなど、終了・経過措置へ移行する制度

社会保険の適用拡大に伴う処遇改善を支援するコースや、成長分野・人材確保育成コース、UIJターンコースなどは、廃止または経過措置の確認が必要です。過去に使えたことを理由に予算へ入れず、現在の採用計画に合う代替制度を探す必要があります。
拡充

育児・介護、定年、研修、労働時間短縮に支援を寄せる

両立支援等助成金では有期雇用労働者や介護休暇、業務代替への扱いが見直され、人材開発支援助成金では中高年齢者訓練や人事・人材育成計画に基づく訓練が追加されています。働き方改革推進支援助成金でも、賃上げや割増賃金率、勤務間インターバルに関する加算・上限が見直されています。
維持

変更が見つからない制度も、申請条件は確認が必要

「変更なし」とされるコースでも、年度の交付要綱、申請期限、対象者、他制度との併給調整まで同じとは限りません。変更がないことと、去年の資料をそのまま使えることは別です。

03採用・正社員化・定着に関係する変更

採用関連では、採用人数を増やすことだけでなく、採用後にどう定着させるかが制度設計の中心になっています。

キャリアアップ助成金は「転換」と「情報開示」を一緒に考える

正社員化コースを検討する企業は、対象労働者の雇用期間、転換前後の賃金、就業規則、転換日を確認します。令和8年度は情報開示加算が加わったため、制度の対象になる人を見つけてから書類を整えるのではなく、求人・評価・処遇の説明方法まで先に決めておく方が運用しやすくなります。

中高年、高齢者、障害者の採用は別制度との組み合わせに注意

特定求職者雇用開発助成金、65歳超雇用推進助成金、トライアル雇用助成金などは、対象者の年齢、紹介経路、雇用形態、継続雇用の条件が異なります。採用担当者が「この人なら対象」と判断するだけでは不十分で、ハローワーク等の紹介日や雇入れ日を基準に照合する必要があります。

採用施策のチェック順

  • 採用予定者の属性と紹介経路
  • 雇入れ日・転換日・支給対象期間
  • 賃金台帳・雇用契約書・出勤簿の整合
  • 正社員化・高齢者雇用・訓練助成金の重複可否

04育児・介護・働き方の支援は、制度導入から運用の証拠へ

両立支援等助成金の令和8年度改定では、制度を作ったかだけでなく、実際に利用したか、業務をどう代替したかがより重要になります。

  • 出生時両立支援:男性育休の取得だけでなく、取得率の上昇等を支援する区分の対象事業主や、事実婚状態にある男性労働者の扱いが見直されています。
  • 介護離職防止:介護休暇が独立した類型になり、有給化支援や有期雇用労働者への加算が整理されています。
  • 育休中等業務代替:手当支給や新規雇用の区分で、労働者数要件、代替期間、有期雇用労働者の加算、算定期間が見直されています。
  • 柔軟な働き方:子の看護等休暇の有給化では、制度を導入しただけでなく、実際の利用が要件になります。

申請時に必要になるのは、規程だけではありません。対象者への周知記録、申出書、利用実績、賃金の支払い、代替業務の記録など、制度が現場で動いた証拠を残すことが支給可否に関わります。

05研修・リスキリングは「受講」から事業計画への接続へ

人材開発支援助成金は、職務に関連する訓練の経費や訓練期間中の賃金を支援する制度です。令和8年度は、45歳以上の労働者を対象に座学と実習を組み合わせる中高年齢者実習型訓練、人事・人材育成計画に基づく訓練、訓練後の設備投資に関わる拡充が示されています。

ここで重要なのは、研修を先に買ってから助成金を探さないことです。3年程度の人材計画、訓練で身につける技能、配置転換や生産性向上の目標を先に整理し、対象訓練・提出時期・受講者を確定してから申し込みます。

確認すること実務で残すもの
訓練と職務の関係職務記述、対象技能、訓練計画
受講料の妥当性価格設定に関する疎明書など最新様式
訓練後の成果配置、設備利用、賃金、作業時間の変化

06賃上げ・設備投資は、今年度の締切を先に押さえる

業務改善助成金は3コース制へ

令和8年度は30円・45円・60円・90円の4コースから、50円・70円・90円の3コースへ再編されています。事業場内最低賃金の引上げ額、対象労働者数、事業場規模によって上限が変わるため、「最大600万円」という数字だけで判断せず、自社の最低賃金と引上げ対象人数から逆算します。

厚生労働省の公式案内では、納品・支払い・賃金引上げを事業完了期限までに終える必要があります。交付決定、発注、納品、支払いの順序を崩すと対象外になり得るため、設備の納期まで含めた工程表が必要です。

働き方改革推進支援助成金は、賃上げと業務改善を一枚で設計する

労働時間短縮、年休促進、勤務間インターバル、業種別課題対応などのコースでは、賃上げ加算や割増賃金率の加算、インターバル導入時の上限が見直されています。就業規則だけでなく、年休管理簿や実績を含む運用の証拠が必要です。

07申請で失敗しない企業は、書類より先に時系列を作る

助成金の失敗は、書類の書き間違いだけではありません。制度を知った時点で、すでに発注・採用・研修を終えている、という順番の問題が多くあります。

01

計画

採用・研修・設備投資の目的と成果指標を決める

02

適合

対象者、賃金、雇用保険、会社要件を照合する

03

実施

申請・計画届・交付決定の順番を確認して実行する

04

証拠

規程、契約、勤怠、賃金、請求、成果を保存する

リクステップの見方

  • 制度名ではなく、経営施策と申請期限を一つの工程表にする
  • 対象者・経費・証拠を会社の業務フローへ組み込む
  • 採択や受給をゴールにせず、採用・定着・生産性の成果を測る
  • 制度改定時は過去資料を流用せず、公式の支給要領と様式を更新する

08一次情報を確認するための公式ページ

助成金は、解説記事だけで申請判断を完結できません。下記の公式ページで、最新の支給要領、交付要綱、申請様式、締切、所轄窓口を確認してください。

注意:本記事は制度の変更点を理解するための整理であり、受給を保証するものではありません。申請前に最新の公式資料と所轄窓口の案内を確認してください。

よくある質問(FAQ)

この記事の情報はいつ時点のものですか?

厚生労働省が公開する雇用関係助成金の支給要領(2026年9月10日現在)と、各制度の令和8年度公式ページをもとに整理しています。募集期間や予算残額、地域ごとの運用は変わるため、申請前に必ず所轄の労働局・公式ページで確認してください。

昨年度と同じ助成金なら、昨年の申請書を使えますか?

そのまま使えるとは限りません。コース名、対象者の定義、加算要件、提出書類、申請期限が年度ごとに変わることがあります。特に令和8年度は、キャリアアップ、両立支援、人材開発、業務改善で変更が出ています。

複数の助成金を同時に利用できますか?

制度の組み合わせ自体が常に禁止されているわけではありませんが、同じ経費や同じ対象者について重複して支給を受けることはできません。厚生労働省の併給調整表と各コースの要件を確認し、計画段階で対象経費を分けてください。

まず何から確認すればよいですか?

直近3か月の採用、賃上げ、育児・介護、研修、設備投資の予定を一枚にまとめることから始めます。そのうえで、実施前に申請や計画届が必要な制度か、対象者・賃金・雇用保険の要件を確認します。

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